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2012/09/15

水とダイアモンド (41)

昨日10年来の友人で刀鍛治である松田次泰さんを久しぶりに訪ねた。
芸大で絵を勉強したい志をもって北海道から上京してきたが、
何故か鍛冶屋になって日本刀を極めている。
もう既に人間国宝を超える技量を独自で開発しているが鈍であるが故に野に甘んじている。しかしその方が職人としては幸せであろう。

私もダイアモンドを職にするつもりなど毛頭なかった。
が何故かダイヤの本来あるべき姿を極めたと、うぬぼれている。
二人とも誰かにやらされていると思っている。
またそうでなければここまでこれなかったとつくづく振り返る。
だから俺がやったなんて言える自信もない。
人生は不思議で、そういう二人が出会うと言うことも面白い。
多分俺の求めた美意識は誰にもわからない。
わかってたまるかと自負心をたぎらせながら、
いまも鉄を鍛えている彼に拍手を送る。