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2012/01/30

水 (6) つらら(しずく)

屋根からぽたっぽたっと落ちてくるしずくの音は、
静かに聞き入るに値する音です。
同じように水琴窟で聞くしずくの音は趣が違って、
響く音からイメージがさまざまに展開できます。

「水の一滴、巌も穿つ」

ぽたぽたと落ちて砕ける水滴には永い年月を重ねていくうち、
受けていた石に穴をあける力があると教えられた時があった事を
思い出します。
そのへこんだ石を見せられて驚いた事も覚えている。
しずくがそのまま氷ったつららは光を受けて、
その芯の強さ見せるように太く輝いています。

Photo : Yu Nozaki

2012/01/27

水(5)氷雨

雪と氷と水が混じった冷たい雨が降ると、
街全体が氷ってしまいそうに思えます。
木々も鳥達もお花達も縮こまってしまいます。
そしてどこかで濡れている人がいるかと思うと悲しくなり、
早く温かいものに囲まれてほしいと願います。
いのちを支える水なのに、何故こんなに違うのだろう。
水が暖めてほしいとせがんでいるのかな。春になる前の水の願い・・・

Photo : Yu Nozaki

2012/01/23

水(4)雪

空から何かが降ってくることだけでも
楽しくなるのに、真っ白くて柔らかい雪が
舞いながら降りてくる。
傘を広げて地面に着く前に自分のものにする
それを集めて口に入れる
冷たい何かが口の中で広がる
何だろうと思っているうちに水になる
しかし水だとは思えない
空の彼方から何かを運んできた聖なるもの
それは循環するいのちが昇華したもの

2012/01/20

水(3) 霜

いまを楽しめるものに霜がある。
地表にあるいろんなものにへばりつくようについている
白い生きもの。
その周りの水分が凍ってくっついて、
表面を覆っている。
そのまた上に乗っかってくっついて造形物。
虫眼鏡で大きくして見る。
自然の無作為の力は人が創りだすCGを超えて美しい。

もう一つの楽しみは霜柱。5センチより高く針状の氷。
その上にみんなちょこんと帽子をかぶっている。
小石であったり、枯れ草だったり、土をのっけている。
霜柱の一本一本がまるで個性的な生きものに見える。
どちらも水の変身した姿。

2012/01/16

水(2)水鳥

渡り鳥は水を求めてやってくる
そこに好物の魚がいる
水に濡れない衣装を着て
決して寒がらない
来るときも、去るときも
湖水に浮いているときも
仲良く群れている
日本の冬を楽しませる水鳥達よ
日本の水は甘いぞ!!

2012/01/13

水(1)

この時期、野山を歩くと落ち葉がいっぱいある。
風に吹かれて吹き溜まっている。
足を踏み入れると乾いた音がして耳を楽しませる。
枝から離れたばかりの葉っぱにはまだ湿りがある。
そこには水がまだ含まれている。
だからまだ色がいろいろある。
地べたに落ちて太陽に照らされ蒸発する水。
大地に吸収される水。葉っぱが粉々になるまでそこに残る水。
その頃になると色も一つになる。
しかし形があるうちは水が一緒だからイイネ。

2012/01/09

レオナルド・ダビンチを想う (2)

ダ・ビンチの代表作「モナリザ」も「最後の晩餐」も「岩窟の聖母」も
どの作品も背景には水が流れています。
何故水が高い山から流れている風景を好んで描いたのでしょう。
モナリザの髪のカールも水の動きをスケッチして描かれているようです。

水の素描が沢山残されていて、
川辺で水の流れて行く様子を描いています。
流れる水が棒や板切れの抵抗にあい、どのように渦を巻いて、
抵抗から逃れているのかを克明に描いているのが面白い。

私の流水紋はダ・ビンチが興味を持ったその水の流れを捉まえています。
だからダ・ビンチは私の流水紋をきっと見たがっているはずです。 
ダ・ビンチが描いた小さな水流から大きな流れになり、
ついには大洪水になって岩や家まで飲み込んでいる画は迫力があります。
そして水に関する記述も沢山残っています。
その中で「水は自然の馭者である」「水は時と共に万物を変化していく」など等と書いている。

私は「水は生命の馭者である」と「水は時を創る」と書きたいのですが・・・?。

2012/01/06

レオナルド・ダビンチを想う (1)

年頭にダ・ビンチさんの事を書いたので、ダ・ビンチに私がどのような関心を持っているか書いてみよう。

私が流水紋制作を始めて10年後にダ・ビンチの水の素描と水に関する記述があることを知った。流水紋制作を通じてダ・ビンチの水に対する観察、
描写、文章表現の的確さと洞察力の見事さを実感させられるようになった。
そして年月が経つにつれ流水紋をダ・ビンチに見せたいと思う気持が強くなってきた。

もし現代にダ・ビンチが生きていたらダ・ビンチは「これを見たかった」と言うだろうと確信するほどまでになった。
その頃からダ・ビンチの水の素描と流水紋との共同展を行い、
550年の歳月を超えて作品を通して会話が出来たら素晴らしいと
夢を描くようになった。

またこの企画は地球の永遠の生命を希求する天才自然科学者ダ・ビンチが警告しているように、大洪水でこの地球が崩壊しないために、
全人類が水の素晴らしさ、大切さを認識するための重要なイベントになると信じている。

2012/01/01

年頭にあたり

2012年を芽出度く皆さんと一緒に迎えることができた喜びを感じています。
人はそうなりたい、そうしたいと想うことが大切です。
それを実現するには強い意志力が必要です。

天はその意識する力に、達成する力を貸してくれます。
私は今年、レオナルド・ダ・ビンチと共演する展覧会を可能にするため、
強い意志力を持って事に当たります。それが私のしたいことであり、
命を生かされてきた御礼でもあると思うからです。

その原動力はダ・ビンチさんが私の作品を見たがっていると信じるからです。
皆さんの応援が必要です。まだまだ力を貸してください。
そして皆で喜びを共有しましょう。