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2012/08/11

水とダイアモンド (31)人と物の共生

ダイアモンドと人が最初に出会った頃は、強くて、
硬くてこわれない物でした。それ故お守りとなって刀や楯にはめ込まれました。その後指環や、首輪につけられ魔よけとしての役目もしていました。
15世紀になり装身具として使われようになり、
かたい絆の象徴として結婚の儀式に欠かせないものになっていきます。その当時はまだ原石のままで指環にはめられています。
輝く美しい宝石の扱いではありません。
男性が愛する人に自分の想いを表現する為に
不変の硬さをダイヤに託した純粋さがありました。
「永遠の愛」をダイアモンドを通して表したのです。
そのような想いが人と物とを一体させ、
物を大切に扱う気持が生まれてきます。
自分に関わる物に自分がどれだけ想いを寄せるかで、
物も自分に近づいてきます。
そこに本当の共生のありかたを見ることができます。
現代は自然界に存在する物と工場で大量生産された物とが一緒になっていて、その違いを区別して使うことが少なくなっているようです。
そして要らなくなったものはどんどん捨ててしまう。
このままいくとそのうち人も物化(ものか)してしまうのでは心配です。 

(写真はバチカンに存在する15世紀に結婚の儀式に実際使われていた指輪のデザインです。)

出典 DIC「ダイヤモンド婚約指環の歴史」